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開発者紹介

開発者のご紹介

開発者: 福田 博司

 1983年名古屋大学医学部卒業。1997年にふく田整形外科を開業し、多くの患者さんの診療を行ってきました。
 2004年、臨床スポーツの雑誌で加圧トレーニングのことを知り、脊髄損傷で下半身麻痺になったスタッフの回復に効果があるかもしれないと考えました。そこで早速資格を取得し、診療とともに加圧トレーニングにも取り組みました。
 加圧トレーニング特定資格者の初回の試験では4人だけの最初の合格者となり、その後は、特定資格者養成講習の講師も勤めました。加圧トレーニング学会では9年連続で発表しました。
 そして、一緒に特定資格試験に合格した山崎さんと栗田さんとともに、自動加圧機の開発を進めました。山崎さんが作製した機械を私が評価するという形で開発が進み、山崎さんのお力で自動機は完成しました。
しかし、加圧トレーニングのカフは伸びる素材で作られていて、どうしても正確な圧設定が出来ませんでした。伸びない素材のカフを用いることで、正確な圧設定が出来るようになりました。
 ちょうどその頃、山崎さんが米国のご友人から紹介された文献で、RIPのことを知りました。それ以前のRIPの文献もあわせて読み、整形外科のリハビリに効果があると考え、早速RIPを始めました。その効果は予想通りで、特に急性外傷の治癒までの期間が、70%程度に早くなりました。
 しかし脚の場合、RIPのカフ圧を高くすると、締め付けが痛くて、長時間は耐えられませんでした。できるだけ低い圧でRIPを行いたいのですが、それを手動で調節するのは手間がかかりました。また、圧が低すぎると血流が発生して意味がなくなります。RIP用のカフはこれまで開発した自動機で圧設定ができましたが、時間がかかりました。圧設定に時間がかかると、RIPの効果が減ってしまいます。
 そこで圧設定を短時間で済むようにするためマルチカフを考案しました。RIP用のカフの下に取り付けたセンサーカフで、適正な圧を短時間で知ることができます。理論的にはひとことで済んでいますが、実現は簡単にはいきませんでした。それでも山崎さんの紹介で製作を引き受けてくれたTOUAさんのご努力もあり、2年半かかって、満足のいく装置が完成しました。脚でも10秒以内にRIPを開始でき、その後の圧の変化にも対応します。開発者の私が言うのもなんですが、予想を遥かに超えた良い機械ができました。
それと並行して、MCトレーニングの開発も進めました。
 加圧トレーニングは腕や脚の全体の血流を制限して、筋肉の低酸素状態を維持することで、効果的に速筋のトレーニングを行うものです。しかし、特に脚の加圧トレーニングは、加圧を開始してからトレーニング開始までに時間がかかり、加圧している時間が長くなります。
 そこで私は筋肉を直接圧迫することで、筋肉の中の血流を制限して、筋肉内を低酸素状態にする方法を思いつきました。この方法を用いると、カフで圧迫後短時間で筋肉内が低酸素状態になり、より確実な速筋のトレーニングを短時間で行うことができました。
 さらにマルチカフを使うことで、より安全で効果的なトレーニングとなりました。
 このようにマルチカフで、より良いRIPとトレーニングができるようになり、この2つの機能を持つ本機をマルチカフケアと名づけました。

 次にSFAのお話をします。
 これまで足関節内反捻挫に対して、いろいろなサポーターで治療をしてきましたが、固定力においてギプスやギプスシーネにかなうものはありませんでした。ギプスシーネの中で一番有用なU字型のギプスシーネを主として使っていましたが、ある時、足関節の内反を防ぐにはU字型ギプスシーネの内側の半分だけを使えば良いことがわかり、内側シーネと呼んで愛用しました。そしてこの有用なシーネをサポーターに応用できないかと考え、開発を始めました。
 硬いシーネ状ものを足首に圧着するわけですから、当然痛みが出ます。痛みを防ぐための緩衝材は、開発当初からエアーパッドを考えていましたか、実現は難しいと考え、他のさまざまな素材を試したものの、うまくはいきませんでした。
 しかしビーチボールなどを作っている、神戸の岡村さんが、安価で丈夫なエアーパッドを作ってくれました。そして、プラスチック製のシーネと弾性ベルトは、義肢装具会社の中部義肢さんが、安価で良いものを作ってくれる会社を探してくれました。固定方法に関しては、ベルトにスリットを入れて踵に引っ掛ける方法を柔道整復師の羽生さんが考えてくれました。
 こうして完成したものを実際使ってみると、予想以上の効果がありました。重症な捻挫でも、このサポーターだけで治りました。どうしてここまで大きな効果があるのか?それは、このサポーターが踵の内反を強く防ぐからだということが解りました。その後、足首のいろいろな障害にも効果があることがわかり、これをStay for Ankle(SFA)と名付けました。

開発者:山崎由久 博士

航空宇宙生理学の専門家。

東京教育大学(現筑波大学)卒業、米空軍航空学学校修了、東邦大学医学部にて博士号取得。
大学卒業後、航空自衛隊に入隊後パイロットの生理訓練関連装置開発運用(低圧、低酸素環境、耐G、空間識失調、射出座席等)に携わり、航空医学実験隊、航空開発集団医務官等を経て、川崎重工業に入社。航空宇宙技術本部、宇宙機器設計部にて宇宙飛行士の訓練設備の設計及び宇宙服の導入に携わる。

その後、JAMSS(有人宇宙システム)に入社し、宇宙飛行士の養成のための生理訓練等を担当し、JAXA(宇宙開発機構)との契約で、宇宙飛行士健康管理業務の研究支援等を実施した。

退職後、宇宙飛行士の筋力、骨量減少対策として、血流制限状態を定量的に調整する装置を用いたトレーニング法や、血流改善用の駆血法などが出来る機能を備えたVRC装置を開発。